分析と改善が一番大事
MVPのローンチが終わったら、次は分析です。個人開発において最も重要なのは、ここから先の分析と改善です。
どの数字をKPIにするか
分析といっても、見られる数字はたくさんあります。
- 新規ユーザー登録数
- インストール数
- 離脱率
- 継続率
KPIを定めるとは、この中から最も大事な数字を1つ決め、それを伸ばすための施策を考えることです。
ローンチ直後のKPIとして、私が最も重要だと考えているのは「課金されたかどうか」です。
事業検証を済ませた内容でリリースし、広告を出し、ウェイトリストの登録者にメールを送れば、数十人から数百人規模のユーザーは集まるはずです。もしインストール数がほぼゼロなら、そもそも需要がなく、需要検証が不十分だったということです。その場合は、そのフェーズからやり直してください。
そのうえで、数十人から100〜200人が集まったときに1人でも課金してくれたか。これが非常に大事なKPIです。
なぜ「課金」が重要なのか
課金はハードルが高い行動だからです。
NetflixやYouTube Premium、Amazonプライムに課金するときのことを考えてみてください。無料で提供されている部分に十分満足しているからこそ、お金を払ってもっと使おうと思うわけです。
つまり、1人でも課金してくれたということは、1人でもいいからきちんと満足させられたということです。これは非常に大きな意味を持ちます。
課金率の目安
モバイルアプリの課金率は、ユーザー登録数に対して平均で1〜3%程度が一般的です。アプリの種類によっても変わりますが、100人が登録してくれたら1人が課金してくれる、という割合です。
私が開発している「ぬい日和」は、応援プランという形で課金を提供しており、課金率はだいたい1%です。機能制限で課金を促すタイプではないため、コンバージョン率は低めです。ユーティリティ系のアプリであれば、2%、3%、良いものでは5%程度まで上がると思います。
母数300〜500人までは続ける
課金率1%といっても、実際にはばらつきがあります。100人来ても0人で、150人目でようやく1人課金してくれる、ということも普通に起こります。
そのため、最低でもユーザーが300〜500人ほど登録して使ってくれるまで、開発と分析、そしてSNS運用を続けてください。母数が少ないうちは、本当に価値があるのかを検証できません。
300人ほど集めても課金がまったくない場合は、アプリ自体に問題がある可能性があるので、ピボットを検討し始めてもよいと思います。
ただし、個人的には最低1〜2ヶ月は頑張ってほしいと考えています。本気で取り組んで作ったものだと思うので、それくらいの期間は粘る価値があります。1〜2ヶ月経っても口コミがまったく広がらず、課金もされない場合は、ピボットを検討してください。
1人でも課金されたら次のフェーズへ
1人でも課金されれば、改善の余地が見えてきます。
- 課金率1%を2%にするにはどうすればいいか
- 課金率が1%なら、集客を10倍にすれば売上も10倍になる
このように、グロースのための施策が打てるようになります。グロースハッキングと呼ばれるフェーズです。分析と改善を繰り返すことで、PMF(プロダクトマーケットフィット)に近づいていきます。
課金されたら、かなり自信を持ってよいと思います。ビジネスの0→1を達成したということだからです。0→1を達成するのは簡単ではないので、1人でも課金してくれたら、ひとつ山場を越えたと考えてください。
ぬい日和の場合
ぬい日和は、マネタイズ自体はかなり早い段階でできました。ただ、広告は出しておらず、課金も応援という形なので、マネタイズを積極的には進めていません。そのため私自身は、ステップ⑩・⑪で扱うユニットエコノミクスの最適化が今後の課題になっています。
課金されたことが確認できたら、次は改善のフェーズに進みます。ここからは分析と改善を繰り返し、PMFに近づけていきます。